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芭蕉・嵐雪をたずねて

洞雲寺・本教寺吟行(池袋界隈吟行)               平成19年10月3日
旧暦の10月12日は芭蕉忌、13日は嵐雪忌である。新暦では11月21日、22日なので、早くはあったが、二人に縁のある寺を訪ねることにした。
先ずは芭蕉ゆかりの洞雲寺をめざし、地下鉄有楽町線要町駅から祥雲寺坂を上って行く。総勢13人である。

鳥渡る雲の字のある寺ばかり          健二

洞雲寺の手前にある祥雲寺に寄ってみる。

色鳥やお稲荷さんの小さきこと         洋子
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祥雲寺から洞雲寺へ廻った。
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洞雲寺には木造の芭蕉像があるということだった。入口から本堂まで30メートルもないような小さなお寺である。
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深秋の梅花仏とも呼ばれたる          喜代子

芭蕉を真ん中に左に梅花仏、右に玄武仏とある。これは後に見る位牌と同じである。芭蕉像を見るために来たので、岩淵代表が頼むと、作務衣の僧がお堂の戸を開けてくれた。本堂は暗くて仏様のお顔は分からない。

手をつきし畳の冷えや阿弥陀仏         千晶

芭蕉像を見たいと頼むと、どこからか取り出してきて、座っている目の前に置いてくれた。
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芭蕉像軽し茸のなほ軽し             喜代子
露けしや耳も目もある芭蕉像           昌子
やや寒の胸に入れたき芭蕉像          遥

お位牌もあるはずで拝見したいと頼む。少し分からないような様子であったが、奥に行って持ってきて、芭蕉像の隣に置いた。この池袋にある洞雲寺は、もとは関口芭蕉庵の近くにあり、明治になってここに移されたとのこと。関東大震災にも無傷で、この大戦中に焼夷弾が寺の前に落ちたときも焼けずにすんだそうである。どこかひなびた懐かしいl感じを残しているのはそのせいなのだろう。

寺を出てさらなる寺へひやひやと        昌子
廃屋にシャツ干されたる雁渡し          伸子

洞雲寺を出て、一旦、要町駅に戻り、嵐雪のお墓のある本教寺の東池袋まで地下鉄に乗る。東池袋駅から本教寺の裏門まで2-3分である。
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裏門のそばの家の2階で雀がさわがしい。どうやら雀の昼餉時で、餌台のあたりを飛び交っている。境内の水道とポンプ井戸は江戸時代からの湧き水で、職人さんが昼食のために手を洗っていた。

乱れ萩手押しポンプのきしきしと        和代

蕉門十哲の一人、服部嵐雪のお墓をたずねて本堂の脇から表門の方へ行く。門の手前に見つかった。遅い萩が茂っている。さっぱりと大小のお墓が並んでいる。芭蕉の死後に江戸の俳諧を其角と二分した人のお墓だが、供花もなく持ってくればよかったと思った。それでも残っているだけでもいいのかもしれない。
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路地奥に嵐雪の墓鳥渡る            伸子
嵐雪やうすむらさきの秋の水          遥
戒名に雪の一文字秋の蝶            健二
雪中庵嵐雪の墓帰り花              昌子
嵐雪の墓の秋蚊に喰われけり         喜代子
嵐雪の花筒の水澄みにけり           八雪
箒目にかからぬほどの萩の花         かぐや
嵐雪に言の葉かける秋の蝶           洋子
嵐雪の墓へ踏み石草の花            禎子
しじみ蝶二頭の去らぬ嵐雪碑          美智子
嵐雪の辞世のうたや萩さかり          絹子

嵐雪の墓石の後ろ側に下記の辞世の句が刻まれている。

一葉散る 咄一葉散る風の上          嵐雪
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お墓近くには青い木瓜の実がたわわに生っていた。
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表門をでると、その前がまたお寺である。歩いて行くと姉様かぶりの老女が行商の荷を並べて、近所の人も来ていた。葉唐辛子の佃煮を買い。おむすびなどの昼食にそえた。辛くなく丁度いい味だった。老女は千葉から2時間以上かかって来るそうでる。
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担ぎ女や白粉花の辺に下ろし          美智子
行商の秋刀魚の煮付け負けさせて       八雪

帰り道には豆腐屋もあった。

店番も昼寝なりしか新豆腐            かぐや

以上が大体1時間半ほどの吟行であった。

秋風のひとりが戻りみな揃ふ           喜代子

                               写真・文・上田禎子
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by basyou-ninin | 2007-11-02 20:22 | 吟行